ベー・チェチョル~百年にひとりのテノール歌手
ひとつ前のブログは、一応 音楽業界で職を得ている姪が書いたものですがきまぐれ歌人としても補足したい。姪からベーチェチョルさんのあるコンサートに行かないかと誘いがあったのは、6月の末だった。オペラ歌手で百年にひとりの声を持っている人だと。甲状腺の癌で貴重な声を失ったとか。詳しくはインターネットで輪嶋東太郎さんで検索するようにという短い案内だった。調べたら、最近のNHK-TV総合のドキュメンタリー番組に紹介された人物だった。そういえば、私もその放送を途中から見たことを思い出した。NHK-BSで昨年末に2時間で放送されたが反響が大きくて総合でも1時間に短縮して放送したこともわかった。韓国で生まれたベーチェチョルさんは22歳でイタリアに留学し優秀な成績で有名な音楽院を卒業し、たくさんのコンクールに上位入賞し、ドイツのとある地方都市の劇場で専属契約をして活躍していたが、甲状腺の癌が発見されて、切除する手術を受けたが思いもかけない結果が待っていたのだ。声が出ない。日常会話さえ厳しい。話は遡るが、癌の手術をする前年だかその前だか 良質のオペラを海外から招いて公演している 音楽プロデューサーの輪嶋東太郎さんの目にとまり たしか2回ほど東京のオーチャードホールでオーケストラ形式のオペラに出演していた。輪嶋氏が生きている間に聞けるとは思わなかったという百年にひとりのテノール歌手のベーチェチョルさんの声をなんとかする方法はないのかと奔走した結果、京都大学名誉教授の一色信彦氏(甲状腺の世界的権威の医者)に診察を受けさせて、可能な回復手術を行う。ドイツでは出なかった声が出るようになったが、横隔膜の神経が痛んでいて本来の声にははるかに及ばないこともわかった。輪嶋氏はそちらの専門家も探して診察を受けるのだ。はてしない難解なリハビリに励むベーチェチョルさん。一時は職業のテノール歌手は完全にあきらめたけど、輪嶋氏の行動と励ましで、いま、再びステージに上がるために、声を取り戻すための訓練を続けている。手術前に東京公演で歌ったフイルムを見た。ベーチェチョルさんの声は 私が聞いてもアジア人の声ではない。ヨーロッパ人の声だった。この声なら、一度聞いたひとはフアンになるはずだ。私はたった一度だけ、ウイーンのオペラ座で フィガロの結婚 を見て感動したのだが、姪は毎年ウイーンでオペラを見ているので、絶賛している。アジア人の声ではないわ。輪嶋氏の見る目にも感嘆している。 フイルムコンサートのような支援者のつどいで初めてベーチェチョルさんを見た私の感想は、 両国あたりで見かける 幕下付け出しの新米力士かと思った、理由はちょっと太めで 髪の毛がちょっと長い けども 手術前のフイルムを見て歌を聞いて人々は驚くに違いない。 女優の吉行和子さんと富士真奈美さんと岸田今日子さん(今は亡き)の仲良し三人は輪嶋氏を通じてベーチェチョルさんの歌に感動して支援者になったようです。この日も吉行和子さんは参加して話をしていた。 ベーチェチョルさんはまだ39歳です。必ず声を取り戻して再びオーチャードホールの舞台に立ってもらいたい。 輪嶋東太郎氏は、腰も低くて大きな将来性を持った大物に違いない。つづく
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